初めて学ぶアイヌ語講座が開講しました!

9月13日(水)幕別町教育委員会共催「初めて学ぶアイヌ語講座」が開講しました。
講師は、幕別町教育委員会学芸員の阪口諒さんです。

まずは現在アイヌの方々がどれくらいいるかというクイズから
アイヌ民族やアイヌ語の概要を知っていきました。
アイヌ語は日本語と地続きに接していた言語ではありますが
同じ系統に属するとみなすのは難しいそうです。
また、アイヌ語を日常的に用いる共同体はなく
1980年代から北海道ウタリ協会(現・アイヌ協会)が
アイヌ文化の継承活動に力を入れ始めた際に
道内各地でアイヌ語教室を開始したという経緯があるそうです。
その際に使われたテキスト「アコロイタク」を紹介していただき
ビデオ版の中から澤井トメノさんの映像も見せていただきました。
澤井さんは生まれは和人ながら本別町でアイヌ文化伝承者として
多大な功績のあった方です。

その後、アイヌ語の基礎知識として
・語順が日本語とほぼ同じであること
・大きく4つの方言があること
・北海道や東北地方北部、南サハリン、千島列島にアイヌ語由来の地名が残っていること
などを学びました。

後半ではアイヌ語と日本語の関わりについても教わりました。
アイヌ語から日本語に入ったのは主に動物の名前で
ラッコ・オットセイ・トナカイ・シシャモ・エトピリカなどがあり
日本語からアイヌ語に入ったと考えられるのは
ウンマ(馬)・カニ(金)・イチェン(銭)などの交易によって入手した物の名前や
トゥキ(杯)・ヌサ(幣)・オッチケ(折敷)など儀礼関係の言葉があるそうです。

ただ、日本語と漢語の間の借用語の多さに比べると
日本語とアイヌ語の間では非常に少なく
両語間の交流はそれほど深くなかったと思われる、と
阪口さんから解説がありました。

初回はアイヌ語という言語がどういうものかを知りつつ
アイヌの儀礼について聞いたりヒシの実(ペカンペ)の実物を見せてもらったり
アイヌ文化についても触れることができました。
次回は来週9月20日(水)10:00からです。

この先の回でもアイヌ語学習だけでなく
なぞなぞや音楽、衣服などのアイヌ文化の紹介も
ふんだんに盛り込まれる予定です。
次回からのご参加も受け付けていますので
興味のある方はまずはお問合せ下さい。

幕別町百年記念ホール 講座係
TEL 0155-56-8600

初めて学ぶアイヌ語講座


(初めて学ぶアイヌ語講座のページ)

現在、9月27日(水)18:30から行われる
幕別町アイヌ政策推進交付金事業2023関連講演会
「アイヌと漆器文化」の申込みも受付中です。
お申込み・詳細はこちらからどうぞ

アイヌと漆器文化


(講演会「アイヌと漆器文化」のページ)